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松茸を一生分@銀座「花籠味(かこみ)」

ということで、贅沢な会食の週末。相棒の知人に仕事を依頼したことがきっかけで、
馴染みの店で松茸三昧をしようと誘われたのが八月。十四席の店にある六席の
カウンターで松茸を味わうには2ヶ月近く前の予約が必須だとか。ゆえ、こちらも相当
楽しみしていた。事前にネットで調べるとハンパないボリューム、そしてお任せで
供される日本酒というキラーコンテンツにこちらの興味と期待もハンパない。
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着席し、目の前の仕込みにまず驚く。まさかと思ったが、これが十四名分の胃袋に
目がけ用意された国産松茸。店主曰く「この時期、銀座で一番松茸を買っている店」
だそうな。これだけの松茸、圧巻の光景である。

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三種のお通しの後、まず土瓶蒸し。麦酒を呑み干した後、酔鯨の純米吟醸から。
さて、土瓶の蓋を取るとそこには松茸がぎっしり、出汁も美味でたまらん。
じっくり味わうつもりが、他三人のピッチが早いもんでカッカと平らげる。

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続いて鰹。高知西部仕様、薬味たっぷりぶっかけスタイルのタタキだ。ポン酢は飲める
ほどのまろやかさ、下に山芋を敷きつめており食感にアクセントが加わる。

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脂ノリは控えめのせいか、合わせた初亀の穏やかな味わいがどんぴしゃ。酔鯨よりも
相性抜群で、はんなりと丸みを帯びた味わいはまさにべっぴん。

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焼松茸は店主が目の前で焼いてくれる。二卓あるテーブル席では七輪を真ん中に据え、
店主が移動し目の前でじっくり焼いてたっぷり供する。カウンター陣営は店主の帰還を
待ちわびつつ、ゆっくりと酒を味わう。アツアツの焼きたてをそのままかぶりつき、
また裂いては酢橘と塩を交互につけて、一人二本分以上は食べた。

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その後、トリュフ入り茶碗蒸し。この段階で結構おなかもいい感じ。酒は土佐しらぎく、
山廃純米と雄町純米と山田錦吟醸。大きめの盃に一杯ずつ、進み具合にまかせて酒を
変えてくれる。しらぎくが多いのは、店主と蔵元とが絆を深める出来事があったらしく、
その縁で取り揃えているのだとか。

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ということで、メインのザ・すきやき。4名分なんだけど、肉が見えんぜよ!
これだけ国産松茸を惜しげもなく山盛りにされると、あーだこーだ料理の理屈を述べる
気など吹っ飛んで、ただひたすら店主の心意気に頭を垂れ、一気に食べ尽くすのみ。
ワタクシ、この時点で限界が近くなりましてん。隣のカップルは半分も残しとるが、
食べれんオナゴは連れてくるな。ワシらの婦女子を見てみい!と心の中でぼやきつつ
酒はススム。すきやきには鳳凰美田。

〆には松茸ごはん、お新香盛り、蜆汁。無理ムリ食べたが、当グループの婦女子は
ワタクシの心配をよそに余裕の完食。お会計はその方々の顔もあろうが、ほどほどが
コミコミで。酒代はなんぼ呑んでも変わらないらしい。まっこと、たまげた。十四席を
一日一回転、店主ほか従業員三名、アッパレな店主である。
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ちなみに店主はカーレース好きらしく店内はグッズもいくつか。壁のサインは元F1王者
シューミらしく、ベッテルのヘルメットやバトン&バリチェロのサイン入りキャップも。
小さな店ながら、恐るべき武器満載。

とまれ、一生分の松茸を食べちゃって親に申し訳ない。いつか連れてきてあげたいなと
素直に思える、なんとも豪快で居心地の良い店だった。
by t-jack2121 | 2009-10-10 12:11 | 外で呑む。

蕎麦の笊に顔を埋めて堕ちたことをネタにされています


by t-jack2121