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GW前には終わりそうだと友人のK氏が筍を送ってくれました。彼の実家の敷地はナント元「お城」、家の裏山ではこの時期、文字どおり売るほどの筍がとれるのです。冗談で春の筍と秋の銀杏を売ってやるぞと言うのですが、毎年どちらも無償で送ってくれる。今回もわがまま言って、仲良しの飲食店やデザイナーへも送ろうと例年以上に骨を折っていただきました。その数おそらく百本近く、全て彼の手掘り。ボクも一緒に掘ったことがありますが、筍掘りはとにかく腰にくる。旬の味と彼のご苦労に、感謝、感謝。


その彼とは、前々職で同期入社の間柄。実家は商売をされていたが、多額の借金で倒産寸前になった三十歳前後の頃か、次男坊ながら実家に戻り所有する土地を活用して産廃処理の会社を設立した。ゼロからの営業で経営を軌道に乗せつつ、産廃の副産物を利用した農業用の肥料生産や、家業でもある養豚の育成方法の改善に取り組むなどして、当時3億円超だった借金の残債は1億円を切るまでに。しかも一軒家を建てて子供も3人守っている。彼が逃げずに立ち向かったモチベーションは「家族」だったのかなあ。


ボクの実家も商売がダメになり、兄にまかせたままで、生まれた家と全ての土地を失いました。途中でリセットできる契機が何度か訪れたはずなのに、今思えば、兄弟ともに仕事と生活を理由に「家族」をまとめきれなくて、友人との大きな違いはそこかもなあ。とまれ、失ってみて気づいたこともたくさんあります。あるならあるなりに、無いならないなりにね。タラレバを言ってもきりがなく、何とかなる経験をすると、案外幸せかもなあって思えるのは一度味わえた強みでもあるでしょう。強がりもあるけど。


目の前で困っている誰かのために、労を惜しまず全力でやる。言葉では言えても、いざ実際の行動となると無意識のうちに別の自分が現れるもの。ビジネスであれば金銭絡みで打算的になったり、自営なら見栄やカッコつけもそうですね。誰だって最後は自分と家族が一番大事だろうけど、でもね、まあ。その意味で筍の友人は出会って四半世紀、相も変わらず世話を焼いてくれます。年をとるにつれ、ボクが好きな「儲けは奉仕のおすそわけ」を地でゆく人だなあと感じる次第。尊敬できる数少ない友人のひとりです。


てなことで、水曜朝は茹でた筍の仕上げ。米糠がなかったので生米を一掴み、灰汁抜きは十分でないかもしれんが、事務所内の昼めしや酒の肴には十分。桜の季節同様、旬の味わいは年に一度きり。あと何度…という年ではないけれど、やっとけば良かったと後悔しないよう、仲間で分けあい有りがたくいただきます。いつか、銀座の空き地で野菜やら農産水産物を売ったり食べたりしたいのですが、いつになることやら。ということで、これを見たK氏の奥様、ご主人によろしくお伝えください。カブ上げといたで。
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by t-jack2121 | 2012-04-25 09:58 | ほんとに雑記。 | Comments(0)
いや〜、気づけば今月の投稿はまだ3つめ。毎日それなりに多くの方々にアクセスをいただきながら、更新が追いつかず申し訳ありません。繁忙期も無難にこなし物理的には余裕のある4月なのですが、個人的にも8年越しで抱えてきたある重荷がひとつ完了したおかげで、キモチ的に少〜し軽くなり、休肝日が少なめの春を迎えています。


ところで、「銀座が軽くなった」と言われる昨今。ファストファッションの台頭が銀座にもたらした巨大化と均質化。これは飲食店も同様で、店の総数は減少傾向にあるものの企業系の店は(入れ替わりも含め)増えており、銀座ならでは感が失せつつあります。もともと大箱が必要ない街でありながら、若い層の獲得を目指し投資する企業により価値観がすり変わっていく。とまれ、街の、特に夜の賑わいの中心は今も昔も飲食店であると思いませんか。恵比寿も吉祥寺も下北沢も、人気の濃ゆい個人店を中心に、競い合うようにして街の飲食レベルはあがるもんだと。


その意味で今の銀座は、特に中心エリアで支持される一部の店を除いて同質化が進み、魅力不足の若干を裏銀座が担うという図式なのかもしれません。ビル上のゴージャスな店で支払った以上に楽しかったという声が少ないのは、客の側の経験値が増えたこと以上に、店側の努力がなされていないということの表れかも。メニュー構成や営業時間など、守りを固めるばかりではなく攻める、ならば何で攻めて、どうあり続けたいのか。単純ながら概念的なことをトコトン考えぬく、商いの基本に立ち返る必要があるのかもしれません。あ、ワレワレも。


Facebookやブログなど、感情面をくすぐるツールを駆使しお客との繋がりを求めつつも、来店していただいた後は綿密なシフト網で喜んでいただく、そういう設計はもちろん大切。でも繁盛店考察をすれば、オペレーションや仕組み以上に、現場を預かる人の想いが第一だよなあとわかるはず。銀座は異業種の老舗同士が、一流の客を介して互いを学びあった街だと聞きます。ならば飲食店も、業態や客単価にとらわれず、互いが紹介しあえる強みを持ち、高め合えればと思います。


「粋」とは、見栄を張り続けることで身につくもの。年を取れば誰でも、というわけではない。粋になりたければ今から始めよ。そう教えてくださった某バーのオーナー。ボクらも業界の端くれ、公私にわたり出会うお店で感じたことは、素直に伝えていこうと思うし、シゴトでも体現したいきたいと思います。
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by t-jack2121 | 2012-04-20 09:30 | 飲食店雑記。 | Comments(2)
「さくら、早く終わんないかな」。二度目の訪問、韓国料理店のオモニが呟いたのは本心ではないにしても本音かも。火曜が桜の見頃も最後、翌日は強風と雨との予報もあって客の入りが鈍かったそうだが、両脇の2店はラーメン居酒屋風のせいかハシゴ客で賑わっている。新橋オヤジは若い女子や気安いオヤジのいる店でホッピーや焼酎を呑んで〆に汁麺がスタンダードだもんなあ。オモニの店だけが閑としているのは風除シートを開けていたせい?


この店は以前、近所にもう一店あったそう。だが、オモニがいてこその店だから彼女目当てのお客が増えるほど、彼女がいない方の店は大変になるので集中できるようにしたんだとか。異国の地で、女性ひとりで奮闘する姿に共感し「オンニ」と呼ぶ女性客も多いそう。その一方で、店が発する色彩や名物料理の訴求が乏しいせいか、男性の固定客は少ないみたい。確かに紹介でなければ、初見では活気の面でも入りづらいかもなあ。


でも、お通しや大皿に盛られてチンする料理にも、家庭料理の温かさがあります。この感じに、前々職時代の二十代、食堂代わりに使っていた居酒屋のお母さんを思い出した。未亡人だから大変だろうと後輩を大勢連れていったり、後片付けや皿洗いを手伝ってあげたら、個人的にも色々と面倒を見てくれた。当時圧巻だったのは、結婚相手を紹介した時にダメ出しされたことかなあ。その後、言われた通りの結果と相成り。かなり余談ですが。


最後だから大盛りね〜とか、会計の端数は酔っぱらいから取っとくから〜とか、コミュニケーションも上手。異国の地で料理を作りお客を満たすことを生業とする彼女からは、商売柄としての目だけでなく、決意や覚悟を思うだけでも学びが多いです。訊けば、韓国では雨が降ると飲食店は賑わうのだとか。桜散る雨を境に、千客万来となればよいね。来週末に宴会予約もしたし、店の見られ方改善を少し提案してみようかな。もちろん、客として。
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by t-jack2121 | 2012-04-11 10:37 | 外で呑む。 | Comments(0)
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紹介先で面談する際は一応、自社のプロファイルや実績のサンプル、提案書や見積書をキチンと用意していきますが、会ってみるとたった一点を訊かれハイ終わりということがほとんどです。それは紹介を求めた先の困っている点が具体的になっているからで、サラサラとプレゼンして終わり。しかし今さらだけど、自社紹介って自分の人生履歴をコンパクトに伝えるわけだから意外と難しいもんです。フェイスブック見てねで済むかもだけど、毎日呑んだくれてるロクデナ氏ですねって言われるのがオチだし。


独立当初はアレもコレもソレもと仕事内容を書いたけど、削ぎ落してシンプルにする方が自分らしいかなと思いはじめました。個人事業主であれば儲けどころがたくさんある方が良いに決まっているけど、何となくアフィリエイト的なシゴト表現は自分にあわない。商い方というよりも生き方の意味でだけど、とまれ何をしてもさすがプロですねと一言いただけるようなシゴトをせねば。デザインで言えば、引き算の美学とでも申しましょうか、最近はそういう心境です。


火曜夜、嵐を前に早退けして帰宅を急ぐより酒場にて過ぎ去るを待つ。さて、私にとって外食機会のほとんどが普通の晩ゴハン、銀座といえど馴染みだったり距離感が近かったりでワクワク感には乏しいけど、それはそれで勉強になります。楽しんでもらおう(=飽きさせない)努力が垣間見えると、その夜のゴハン価値がぐんとアップする。月に何度もないことだからたまにあればとてもイイ、昨晩のポンデュガールはそんな夜。今日の自分にうれしいプレゼン、それだけで十分な晩ごはんをいただける幸せ。
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by t-jack2121 | 2012-04-04 10:52 | 外で呑む。 | Comments(0)

蕎麦の笊に顔を埋めて堕ちたことをネタにされています


by t-jack2121