カテゴリ:飲食店雑記。( 58 )

「アイアンシェフ」が3月で打ち切りだそうですね。案内人が若いのに上目線だの鹿賀丈史の存在感には叶わないだの、オンライン上では玉木クンの仕切りぶりがイロイロ話題ですが、最大の原因はオリジナルを尊重しすぎたせいでは?と思っています。そのあたりをマーケ目線で視た、なるほどなぁ的な記事がこちら↓↓

「復刻版がオリジナルから継承すべきヒットの根拠 」

「深夜食堂」や「孤独のグルメ」などマンガから生まれた番組も数多くありますが、これらは日常の食風景の中に透ける生活感や大衆性に共感できるから楽しい。たぶんプロデューサー自身も呑み喰いが大好きだと思います。その意味「アイアンシェフ」は先の記事にあるよう、あらゆる関係者への気遣いもあるでしょうが、他の追随を許さない毒気がないんだな。「酒場放浪記」の吉田類氏がdancyuの日本酒特集で評価者になってちゃダメじゃんと憤慨するのと同じですよ。ん、あーそれは違うかー。


昨晩、新橋の某居酒屋で一献。そこは十数年前、地酒で言うと十四代や田酒等が売れ始めた頃に出会った店。いまは亡き店長がとても熱い人で、休日返上で都内の有名酒店を歩き仕入れしていた話をよく聞かされたものです。仕入れも、ランチも、週末の深夜営業も、お客さんに求められるもの足りないものに応えようと頑張れば頑張るほど店の質もあがり好循環になる。正に、イノチを削って店長は努力していたのでした。そんな思い出があるので、たまに顔を出したくなるわけで。


…だったんだけど、訪れてみてビックリ。スタッフは総入れ替え、品揃えは酒屋のディレクション任せの匂い、それに金曜の新橋で23時LOの23時半退店ってなに?。いや確かに帰る頃には近所の裏路地にある個人店の多くが閉店していたし、24時近くともなれば街を歩く人数も少ない。でも深夜まで賑わいが続く店も少なくないエリア、中でもこの店は…のはずが暫く訪れないうちにめっきり弱体化しちまってた。

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(写真は「銀座テルミニ」中根シェフ渾身つまみペペロンチーノ【特注】)


店長に見えて、社長には見えないもの。


以前、後を引き継いだ店長から「社長は数字ばっか見てお客を見ないんだから」との愚痴を聞いたことがある。昨晩はその店長も見かけなかったし、居合わせたおばちゃんも帰り時間が気になっているのか的オーラなもんで、その話を思い出したしだい。
無いなぁ、再訪は…。と思った自分を寂しく思うけど仕方ない。ここの経営者さんも、日本酒が来たとか焼酎はまだかいなとか手っ取り早い方法論に溺れず、お客と向き合う中に見える課題をとらえ、つたえるチカラを磨くべきだと思います。十数年見てきたボクが言うの、僭越でもなんでもないと思うんですが。


自店のみならず他店も含め現場を体感することでしか学べない、解決できないことはヤマホドあることは、昨今の経営者は身に沁みているはず。酒場を良くするためには、酒場で話すことがいちばんです。帳面を見て話すより、表面張力いっぱいに酒を注ぐ方が楽しいに決まってるし、接近戦のコミュニケーション力が求められる小さい店ならなおさら。ボクはそれを地で行ってるわけですが、郷里高知の著名デザイナー梅原真氏のコトバを借りるとそれは「体内マーケティング」と言うそうです。たぶん同義語ではないと思うけど、意外とベンリなことば。てへ。

「梅原真さんインタビュー」


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by t-jack2121 | 2013-03-02 14:40 | 飲食店雑記。 | Comments(0)
昨晩、クライアントに呼ばれ某麦酒メーカー氏と酒席を共に。地方から東京に転勤し大手外食企業を担当する意欲を盛り盛りに話す30代前半の男子。でも今があるのは氏の先輩の功績、氏は未だ何も貢献していないんだから、まず一年じっくり体感させていただきますくらいいがちょうどいい。企画なんて、その積み重ねからしかできっこないのだ。てな感じで、通りすがりのオッサン的に斬ったけど、ま、それくら図太くないとね。次はいつ氏を貶めるかって幹部と呑んだくれて、イジワルなおやじだこと。


一般営業の引き継ぎという意味では、購入する側の立場になるとより強く感じます。先日も、担当を引き継ぎ以来一度も弊社に顔を出さない営業マンをクレーム現場に同行させ、コトの重大さを体感させてあげた。それから対応がマトモになった気がするから、やって良かったです。取引先の仕事に興味を持つ(当然以前か)、ありがとうと言ってもらえる仕事をお届けする。そんな意識を育てるのも僭越だけれど、取引先と共に体感するOJTという機会も必要な時代かもしれません。望まれてこそですが。


働く意識の問題でしょう。贔屓の飲食店でよくある話、ある程度の関係ができたスタッフが不在の時、別のスタッフがどこまで頑張れるかで満足感は微妙に移ろうもの。特に、客が引けて、その佇まいや目配り方がモロに感じられるユルイ時間帯。30年近くも客をやっていると、スタッフの思いや意思が少しだけ見えるようになります。オーナーの想いを代弁する働き方なんて、第一ムリだし期待していない。でも、自分らしい働き方をしているのか?と。以前のボクを見ているようで喝を入れたくなる時は呑みすぎてしまいそうで。いずれにしても、客は感じているんです、言わないだけで。

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リヨン風クネル@ポンデュガール。最後の注文だったらしく1/2ポーションにて。アメリケーヌソース、塩味が少し強く感じる年頃ですが、基本うまい。残すともったいないので剥き身のエビをソテーしてもらいディップして食す。それでも残るソース。パンは嫌だとワガママ言ったら、ペンネをからめてくれた。わざわざ。同じソースで3度おいしい。深夜のお遊びに付き合ってくれて、どうもありがとう。

食べ終わった頃、塩味について訊ねてくれた。もし(調整可能であることが前提だが)、最初に訊いてくれていたら…。そんなん望むなよ〜と言うなかれ。世にゃそげな店はたくさんあるの。いや、あったの。だからオッサンは、こうして書かないと気が済まないの。気遣い、思いやり、愛情。とか言って、好きで食らって塩分過多、痛飲しての酩酊状態、すべてが自業自得なんスけど。
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by t-jack2121 | 2013-02-27 21:57 | 飲食店雑記。 | Comments(0)
「気になるところ、イロイロ言ってください」。と、カウンターから話をなげかたお返しによくお願いされます。でも、毎日数軒ハシゴするメディアや外食好きの方ほどの比較級があるわけでもないし、基本はプライベート利用ですから。ま、半年くらい通って馴染みになったら少しくらいは言えるようになるでしょうか。だとしても、嗜好とビジネスを分けて言うはムツカシイんですよ。ヘタすると敬遠されるし。


新しく出す店は、とかく料理と酒にフックとなるものを求めます。いわゆる「とんがり」。本来は先にありきですが。でもそれを軸に据えて安心し、メニューに動きがなくなる店もしばしば。インパクトが通用するのはたいてい来店二度目まで。トータルでも主軸でも看板料理が3つは欲しいが、あとはオマカセでいいです。頼まれて悩んでいるようじゃ、客を喜ばせる準備がないなと知るだけ。キツイですかね?


ボクらが企業の商品販促を理解するには、どうしても一年はかかります。季節ごとの内容、準備や打ち出しの仕方、それに予算配分。今期の結果はこうだたから来期はこうしないと、みたいな。馴染みの店も同じで、月イチでもずっと見続けていると、努力と成長、意欲と怠慢の微差が感じられるようになります。とまれ、少々の不満があっても店主の人柄が魅力だったり、生業の成り立ちは様々で良いと思います。


本気でアドバイスを得たい人は、ボクに限らず様々なタイプ人に常に声をかけ続けています。逆に、こちらが気になって声をかけても鈍いレスポンスしかできない幹部がいる店もあって、社長とのコントラストがくっきりでガッカリ。客が来ないのはホッピーの有無じゃなくて貴方の責任だよ、と言いたいけど、だったらアンタやんなさいよって返されそうですし。ん、いや、そしたら受けて立つかもね。


先日、ワイン屋のオヤジからパリ土産のチョコをいただきました。馴染みのラベルがぎっしりのボンボンを見て、亡父の書棚にあったミニチュアボトルを思い出しました。ジョニ黒とかシーバスとか。それが欲しくてたまらなかった小学生の頃。7歳でお屠蘇で酒の味を憶え、中学では遠足のコークハイで停学となり、その40数年後がコレですきに。お土産ありがとうワイン屋のおっちゃん。懐かしい記憶が蘇った。

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by t-jack2121 | 2012-11-09 11:04 | 飲食店雑記。 | Comments(2)
飲食店で過ごしながら、年取ったなあと思うことが増えました。いや、自身の肉体の現象面ではなく外的環境において。経営者も客も自分より若い人ばかりになっちゃったし、馴染みの店では常連層が少しずつ入れ替わり話題共有もしづらくなったし。当然かもしれません、その店に出会って何年たったかを考えれば。それが、年を重ねたなあという実感をボクにもたらしています。


店だって日々進化と変化を繰り返しています。変わらない自分だから、求める心地良さが置き去りになる寂しさを違和感と捉えているのかも。逆に好感を持って追随することで、自身が変わっていくこともありますが、いずれにしても店しだい〜というテキトーなボク。とまれ、旨いメシなのか、日々の小さなサプライズなのか、ウマの合わない客層なのか。そう思うこと自体も、年をとったなあと思ってみたり。


会計の際に、お客の8割以上が「お愛想!」と言うチェイン寿司屋が近所にあります。「あがり3つね〜」と叫び、逆に店員から「お茶ですね」と返されたり。若い人だけじゃなくて年配の方も多いですね。そういうのを見ると客側も恥をかくシーンがなきゃと思うけどいかが。「お前さんみたいな客が常連と呼ばれちゃウチが恥ずかしい!」と店が客と対等な関係をつくれた時代、みたいな。怒られてでも来たい魅力があるから客の側も店に見合うようになろうと真剣に努力する。その結果、シゴトも接待も上達する・・・なんてこと考えるのも、オッサンになった証拠でしょうか。



コトバを交わさずとも一杯一皿に込められた想いは伝わるもの。バーで何気なく呑むソーダ割り一杯にも、つくり方の秘訣があります。つくりかたの微差が大差を生むことも、プロは知っています。この夏モヒートを出す店が増えましたが、どの店もおいしくない。ミントはすり潰さず添えただけで使う酒質も甘い。それが流行りと言うならそりゃ違う。ハイボールも同様、効率重視でディスペンサーがほとんど、瓶の炭酸を選ばないのはサン●リーのお導きか。バーじゃなければテキトーでいいというワケでもないし、それこそ大きな差として体感するんじゃないかな。


どんな場所でどう売るかで考え方は大きく異なりますが、基本はどんな価値を届けたいかデス。喜ばせたいと、儲けたいは、紙一重。なんだか、そんなことをカウンターで考えるようになって、年をとったなあと再びみたび。加齢が進む自分を引き受けてくれる店であってほしいのは単なるわがままですか、「悲しき願い」ですか? ↓↓



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by t-jack2121 | 2012-11-03 13:37 | 飲食店雑記。 | Comments(0)

賄い。

ボクが通った小学校は当時、学校給食がありませんでした。では昼食はどうするかというと、家が遠い人や両親が共働きの人は弁当持参で、それ以外は自宅に帰って食べていました。ボクは後者でほぼ、毎日家で昼ごはん。スゲェ田舎だなあと思われるでしょうが(事実そうですが)、当時でも全校生徒は300人以上。その生徒の半数以上が昼休みにトコトコ家に帰るんですから、ステキな街でしょう。そんな高知西端の港町の長閑な風景も、今ではすっかり変わってしまいましたが、宿毛市立大島小学校は健在。


さて、とはいえ遊ぶ時間を考えるとマッハの昼めし。実家は工場稼業でしたので、賄い的な食事は一汁一菜+αの内容。食べてる傍からひっきりなしに社員や出入り業者が訪れるのでサッサと食べて学校に戻る。友人も養殖業や商店経営の家が多く、どこの家もみんな一緒です。一方で、生活が苦しかった家庭も多く、昼休みや放課後に学校から文具や栄養補助食品(肝油)が支給された友だちもいました。お盆に帰省しなかったせいか、昼ごはんとともに様々な思い出が甦るこの夏。みんな元気かなあ。


ところでお盆休み返上の弊社、この2日夜ごはんを築地の居酒屋二軒を新規で利用。市場が休みなのでアテにはせぬものの、どちらも期待を下回る成果(ある意味期待通り)に。多くは書きませんが、えぇっ!て思う店でもそのトーンに合う常連はいるんだな〜とか、この程度の料理でそんな値段を取るのかぁ〜がわかりました。あと参ったのが、昨晩の店で出た業務用チューブのニンニクとショウガ。余りのクスリっぽさに気絶しそう。生ものに添えられるとたまらんね、後味の悪さったらもう・・・悲しくなります。


あと、定番料理がほとんど用意できずホワイトボードの数品だけというお盆仕様に驚愕(写真参照)。それでも席が埋まるんだから、店のトーンに合う常連っているんだなあ。定時で帰るおばちゃん、さっきまで接してくれたんだから帰り際にごゆっくりどうぞ〜って声くらいかけましょう。別のスタッフはアララ空いた卓で賄いですか、ちゃんとエプロン外して気配を消して食べましょう。と、結構アラ探しを楽しんでいるボクですが、ニアイコールな行動が見えるサービス業は多いですからオイラも気をつけよっと。

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by t-jack2121 | 2012-08-17 09:56 | 飲食店雑記。 | Comments(2)
20年近く飲食店を経営している呑み仲間の先輩の会社と、採用に関するお手伝いをすることになりました。シゴト目線でヒヤリングすると、どんな繁盛店でも社員に対する悩みは存在するなあと実感します。申し分ない給料を得る店長でも、会社経営や独立に興味がない人は多いもの。会社の側はそんなモチベーションでずっといられても困るし、社員の側はリスクを負ってまで独立したくないし家族がいれば安定感も手放したくない。意図的な振り返り面談やステップアップの機会って必要ですね。お互い歳を重ねますし。


ボクも若いころ、経営者になったつもりで働けと言われたクチですが、絶対に無理。幹部以下の一般社員と経営者の違いは、自分と家族のために稼ぐ人と、社員とその家族のために稼ぐ人の違い。日々働く視点がまったく異なるのは明白です。さらに、千万単位の投資をする大博打のような飲食店経営は、やった本人しか味わえない苦労と喜びがあるもの。だから、その一切を若手社員が担ってみて初めて、社長の考えに一歩近づけます。手っ取り早い社員育成はぜんぶ任せて、いざとなったら社長が引き取るのが一番良いのかも。


それとは別で、馴染み店の系列店が閉店した相談もありました。給与の遅配や未払いで状態の悪さを知るわけですが、商品力と接客力を見直そうという現場の声に社長は耳も貸さず、かなり投げやりな感じだったと言います。また未払いは、一度やると鈍感力がつきますから、後ろめたさもない精神状態だったのかも。幸い別法人の1店舗が残ったため、大家の協力を得て再出発を画策。20年以上も支えてきた社員が還暦を過ぎて新たな人生に挑む、を支援します。これもダメ社長のおかげで味わえる醍醐味なのかもなぁ。


みっともない話ですが。過去、連帯保証をしたことで給与を差押えられた経験がある私。兄の借金の肩代わりで住宅ローンが払えず、自宅と生まれ育った実家の両方を競売で失い、のちにヨメともサイナラ。ただ、この経験はボクの社会的価値を少しは厚くしてくれたと、今は思えます。貸す側、借りる側、支援する側、追い込む側、それぞれの立場を考え行動することはとても勉強になります。相手もみな雇われている社員、その心情を読むのも面白いものです。雇われない生き方を選んだ今は、その感覚から疎くなってはいけないようにも思います。


この8月で弊社は9期目に突入しました。必要とされる会社のために、こうしてお客さんや友人からたくさんの難題をなげかけてくれ幸せです。ダテに呑んでるだけじゃないよ〜と、節目に際し強調しておきます。なーんてね。
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by t-jack2121 | 2012-08-04 13:39 | 飲食店雑記。 | Comments(0)
独立して自分の店を持つ。その夢を結果的に叶えるのは「出せたらいいな」ではなく「出す」つもりで準備してきた人たち。預貯金もしっかり、日頃の仕事を自分が主だったら…の頭で経験を積み、強かで負けん気も強く、一番でないと気が済まない人たち。市場規模がシュリンク気味の外食業界では独立よりも安定雇用志向の人が増えているそうですが、儲けたろ野心に溢れた人であれ、生き方働き方にこだわる人であれ、独立する人の心にある芯は普通の人とはマッタク異なります。


月曜、取引先の幹部だった方が退社後、結婚して自らの店を持ったとの報せをもらい初めて伺いました。彼は冒頭のギラギラタイプとは異なる思いやりあふれるキャラ、居心地のよい空気感の店で以前の職場で社長の意向に添っていた頃とは大違い。本当にやりたかったことは、こういうことだったんだな〜と嬉しかった。でも、軌道に乗りつつある今でも、前職の社長には店を出したことを内緒にしてほしいんだとか。なんとなく、わかるような気がします。辞める理由とは異なる形で店を出した、事後報告の後ろめたさだけではない、そもそもの関係性に生じた仕方のない拗れ。


どんな生き方にも正解はないけれど、自分らしくあるために働くことは皆同じです。彼と前職の社長との間には、働き方=生き方やお客との関わり方に相容れないことが生じてしまったのかもしれません。同志なんだけど、目の前のお客よりも会社の都合を優先しなきゃいけない事実、そんな心の葛藤の日々。私自身、心底味わいましたっけ。そんなこんなも、独立すると自分の収入のためなら寝ないで働けるもの。その当たり前は、社員の時にはナカナカ発揮してくれないものでもあります。ならば社長はどう働くべきか。なーんて話、城を持ってはじめて話しあえるのかもね。


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by t-jack2121 | 2012-07-24 22:02 | 飲食店雑記。 | Comments(0)
いや〜、気づけば今月の投稿はまだ3つめ。毎日それなりに多くの方々にアクセスをいただきながら、更新が追いつかず申し訳ありません。繁忙期も無難にこなし物理的には余裕のある4月なのですが、個人的にも8年越しで抱えてきたある重荷がひとつ完了したおかげで、キモチ的に少〜し軽くなり、休肝日が少なめの春を迎えています。


ところで、「銀座が軽くなった」と言われる昨今。ファストファッションの台頭が銀座にもたらした巨大化と均質化。これは飲食店も同様で、店の総数は減少傾向にあるものの企業系の店は(入れ替わりも含め)増えており、銀座ならでは感が失せつつあります。もともと大箱が必要ない街でありながら、若い層の獲得を目指し投資する企業により価値観がすり変わっていく。とまれ、街の、特に夜の賑わいの中心は今も昔も飲食店であると思いませんか。恵比寿も吉祥寺も下北沢も、人気の濃ゆい個人店を中心に、競い合うようにして街の飲食レベルはあがるもんだと。


その意味で今の銀座は、特に中心エリアで支持される一部の店を除いて同質化が進み、魅力不足の若干を裏銀座が担うという図式なのかもしれません。ビル上のゴージャスな店で支払った以上に楽しかったという声が少ないのは、客の側の経験値が増えたこと以上に、店側の努力がなされていないということの表れかも。メニュー構成や営業時間など、守りを固めるばかりではなく攻める、ならば何で攻めて、どうあり続けたいのか。単純ながら概念的なことをトコトン考えぬく、商いの基本に立ち返る必要があるのかもしれません。あ、ワレワレも。


Facebookやブログなど、感情面をくすぐるツールを駆使しお客との繋がりを求めつつも、来店していただいた後は綿密なシフト網で喜んでいただく、そういう設計はもちろん大切。でも繁盛店考察をすれば、オペレーションや仕組み以上に、現場を預かる人の想いが第一だよなあとわかるはず。銀座は異業種の老舗同士が、一流の客を介して互いを学びあった街だと聞きます。ならば飲食店も、業態や客単価にとらわれず、互いが紹介しあえる強みを持ち、高め合えればと思います。


「粋」とは、見栄を張り続けることで身につくもの。年を取れば誰でも、というわけではない。粋になりたければ今から始めよ。そう教えてくださった某バーのオーナー。ボクらも業界の端くれ、公私にわたり出会うお店で感じたことは、素直に伝えていこうと思うし、シゴトでも体現したいきたいと思います。
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by t-jack2121 | 2012-04-20 09:30 | 飲食店雑記。 | Comments(2)
飲食店の販促企画の会社にいた頃、某ホテルの最上階ラウンジで、食べ物飲み物を五品選べて二千五百円という企画の販促に携わりました。当時、五時からオトコの〜♪のCMソングが流行っていたせいか、5に掛けて五時から五百円で五品。ホテル業界ではやっちゃいけないプランだと話題になった記憶がありますが、そこでボクは館内での告知ツール制作を担当していました。


スーパー◯◯◯っていうプラン名称だったので、冗談でスーパー◯ンのタイトルみたく3Dでやりますかと課長に提案したら、何とそれが採用。今思えば、デザインの秀逸さというよりも良い違和感で目を惹いたからでしょう。格式張ったホテルにはサラリーマンの小遣いで呑める空気がなかった時代、ありえない企画なんだから、徹底的にありえない方向でとの判断が大成功。


商業デザインの役割は、行きたい買いたい心にスイッチを入れることであり、そこから先は店側のシゴトです。来てくれたらコッチのものと、当時のホテルマンたちは嬉々として接客に励んで全てが噛みあった思い出があります。違和感が有効だとか、企画がオモシロイとかって最初の一回だけかもしれないけれど、飲食店では万策尽きるということは無いんじゃないでしょうか。


商品ポテンシャルを上げ、お客に価値をキチンと伝え、後味よくお帰りいただく。企業でも個人でも、その型をもっている店は強いなあと思います。刺身のツマがステキだったり、付け合せ野菜が皿ごとに違っていたりって、料理が好き以上に客を思ってくれているなあと感じたり。接近戦で勝負する店はまだやり抜いていないことが多いはずで、毎日ほんの少しでも何かをね。

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by t-jack2121 | 2012-03-13 11:36 | 飲食店雑記。 | Comments(0)
過去に二度行って、後味が同じだからやめておこうと思った東銀座にある企業系の某店にて晩ごはん。それでも行こうと思ったのは温かい酒をいただきたかったこと、そして店頭に掲げたポスターの写真がそれなりに美味しそうに見えたから。約100席の店内には自分たちを含め客は8名、ホールスタッフは店長含め3名。二二時過ぎとはいえ、やっぱダメなのかなあという印象を拭えなかった先味。


コートを脱ぎ着席する前からおしぼりを広げて待つ店長、待ちきれず置いていっちゃった。のち先ず一杯の麦酒が供され、ひとくち呑むのを傍でじっと見守る注文待ちのスタッフ。おでんを4種各1注文するも二人で食べるのだからせめて包丁を入れておいてほしかった。本日のおすすめ、蛤の酒蒸しは浅蜊かと見紛うばかりの大きさで6粒、しかもこの見栄え(↓)で五八〇円とはやられちゃった〜の中味。
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メニューデザインや写真訴求は投資力ある企業系ならでは。しかし、客の入りが8/100であるにも関わらず卓上のベルに頼る仕組みでは、飲食人としてダメになるよと個人的に思います。ましてや販促物に書かれた、おもてなしや真心というコピーを見ると、怒りを通り越して脱力モード。ほどなくLO、会計を済ませ出る際にドアを空け、またのお越しをという店長に声をかける気力もなく、そんな後味。
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by t-jack2121 | 2012-02-16 09:19 | 飲食店雑記。 | Comments(2)

蕎麦の笊に顔を埋めて堕ちたことをネタにされています


by t-jack2121