20121020 飲食店には街をつくるチカラがある

先輩の外注デザイナーに高田馬場の「Intro」というジャズ・バーに連れていかれた。そこでドラムを叩いていたのが、その店のオーナーであり近所で「もめん屋」「コットンクラブ」などを経営する茂串氏。彼は、吉祥寺の喫茶・飲食文化の開拓者と言われる故野口伊織氏の薫陶を受けた方で、ボクはその時初めて野口氏の功績を知りました。亡くなってすぐの頃だったから、聞く話にも異様な熱を帯びて明け方まで呑んでいた記憶がある。街を創るチカラが小さな店にはある、そんなふうに飲食店を見たことがなかったし、会社の連中とはそんな話をしたこともなかったから、そんな場所で遊んでいた先輩たちがとっても刺激的で羨ましかった。もう10年前の話。

野口伊織記念館

野口氏と一緒に活動した建築士や彼から独立した飲食店の方々を随分紹介されたが、印象的だったのは、店のコンセプトというか、狙いや経営観が他の飲食店とは違っていたこと。酒と食べ物を売り音楽にもこだわる、そこまでは一緒なんだけど、その街や客の回遊性についてまで話がおよぶのには驚いた。街を知り、街で暮らし、街で過ごす中にある店づくり。わざと敷居を下げつつホンモノを体感していただく、カジュアルダウンは本来、一流を知る者たちしかできない芸当なんだよーと教えられた気がしました。ナゼこんなことを思い出したかと言うと、吉祥寺ハモニカ横丁の再生に貢献した手島氏の記事に触れたから。吉祥寺は●●だよね〜って、ヒトコトでは言えないし、表には見えてこない貢献者たちの素顔。

初公開「吉祥寺・ハモニカキッチンの思想」

街に必要とされるぶんの店をつくる。街に求められるがまま不足したピースを埋めていくと、結果こんなに店ができちゃった。企業的に言えばドミナント戦略と言うだろうが、野口さんも手島さんも、それとは異なるように思います。例えば東銀座。ワイン系はともかく、最近アッパーな和食店や寿司屋は増えましたが、深夜におでんと熱燗で一杯やれる店がない。ちょっと引っ掛けてソッチ行くからさ、みたいな流れができない。飲食店を作ろうとする人も、店はシゴト場であって生活の場ではないから、そういう発想になる人は少ないかもしれない。それに、自分が住む近所には●●があったらな〜の視点は、企業のベンチマーク項目にはないでしょう。町内会にも入らないし、街の清掃にも参加しないし、まずそんなところかもしれませんね。


トシを取り、お話する相手が歳下の経営者や企業幹部というケースが増えてきました。投資、回収、客単価、そういう話ではなく、もっとロマンというか想いというか、今日一日がんばったストレスを解き放して差し上げる店づくり、てな話もしなきゃいけないかなと感じています。会議室ではなく、飲食店のうねるような空気感の中で。またシゴトにしても、違和感バリバリな時も必要だ。決まりきった相手ばかりじゃなく、たまにはコンチクショーと対抗心ムキ出しにさせられるお客さんも現れないと成長しないし。ヨシ、そんな存在になったるか。バーに隣り合わせた客と話しながらそう思った次第。3杯だか、4杯だか、最後のソーダ割りが意図的に強めだったせいかな。

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Commented by yamamasarx at 2012-10-20 23:59
こんにちは。
最近は歯ごたえのあるお店と「店内の空気感が澄んでいる」お店が少ないなあと感じております。このヤローっていう剥き出しが無いですね。なのでゲストサイドから挑発まがいの行動を取るケースもありますね。
Commented by t-jack2121 at 2012-10-26 10:45
>yamamasarxさん、おひさしぶりです。
同感。我々がトシをとってきた・・・ということでしょうか。
オトナ客に絡める個性、主張、攻め、モノたんない。。
by t-jack2121 | 2012-10-20 11:07 | 外で呑む。 | Comments(2)

蕎麦の笊に顔を埋めて堕ちたことをネタにされています


by t-jack2121