20120613 信頼に足る目利きがいるお店

牛レバ刺しの販売禁止が確定しました。個人的にはとても残念です。命を落とされた方も多く、厳粛に受け止めなければいけないことも理解はしています。しかし、私の個人的な思いは、ひとつの食文化が消失することにより、供する側で受け継がれる「目利き」役を育てる芽を摘み取ってしまうことへの危惧。


フグを取り扱うには免許取得が必要ですが、生肉や生魚の取り扱いに決まりはありません。普段から生の食材の状態を見て適切な調理を施しながら目利き力を養ってきたのだと思います。歴史に学び、先輩を真似て伝承されてきたおかげで、塩や酢や麹などの天然素材を使った保存技術が進歩したのも和食の特徴。だから、中心温度75度で1分間加熱という食品衛生法から外れていても、何ら問題のない調理法が共存できているのです。


「職人なんて雇ってちゃ店なんてできないよ」という現代は、科学された手法を頼りに簡単に店を出せる時代です。飲食業は、調理師免許がなくても「食品衛生責任者」の資格があれば開業が可能。ゆえに、ボロを出す人がいても不思議ではないのかもしれません。いや、コトを衛生管理に集約するのではなく、店の個性として目利き力の高さの証左がレバ刺し、と言える店も多かったのではないでしょうか。そう思うと、仕入れルートに奔走し、きちんと状態管理を行なってきたお店を思うと切ないのです。


食提供の根本は、食べる人を思う愛。今こそ、目の前のお客の状態を見て食材や調理方法を選んでくれた「目利きのオヤジ」がいた古き良き時代に学びたい。消費者保護を優先する法律ばかりに目が行き過ぎ、客の自己責任という考えが希薄になるのは考え物です。ハンバーガー食べ過ぎて太ったのは売る側の責任、というアホな論理が罷り通るような幼稚な国民にしちゃいけません。リスクを承知で食べていた時代が一番元気でワイルドだったぜぇ〜と回想したくないですもん、将来。
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by t-jack2121 | 2012-06-13 16:20 | ほんとに雑記。 | Comments(0)

蕎麦の笊に顔を埋めて堕ちたことをネタにされています


by t-jack2121